永夜の報い

 

 

白い森を抜けて
辿り着いた街は
静けさに溢れた
吐息さえ響くほど

その片隅で
うずくまる少年
「ここは一体どこじゃ?」
「何故わらわは此処に居る?」

白い街を抜けて
逃げ込んだ地下室
薄暗い灯りが妖艶に揺らめく
古ぼけたテーブル
飲みかけのワインと
「ここは一体どこじゃ?」
「何故わらわは此処に居る?」

誰に問えど答えず
誰も見向きもしない

声枯らして
ただ歩き続けた
永久に続く様な孤独の旅路を
ただ夜が明ければ
夢は覚めるだろう
朧夜に願い
冷えた街路樹と
眠る....



目が覚めた朝方
横たわるわらわを包む花と花を
遠くから見下ろし
嘘.偽り無き笑顔だと思った
黒と白の部屋に
空知らぬ雨は降らぬ


飾り飾られし刻は
静かに幕を降ろす

朧月夜
わらわの枕元に
忍び寄るは誰の影?

そぅじゃ。
全て思い出したぞ

そぅじゃ。
わらわはあの夜…


わらわを笑う声…
しかと聞こえておるぞ...!!


いと高き神よ
何故こんな仕打ちを?
罪の代償か...永夜の報いか...
嗚呼 この最期よ
刹那に散り逝け
ただ夢のままで
何も知らぬまま。